「見ることの塩 パレスチナ・セルビア紀行」四方田 犬彦
2005.10.09 Sunday
「見ることの塩 パレスチナ・セルビア紀行」四方田 犬彦
457 p 作品社
目次
第1部 イスラエル/パレスチナ
第2部 セルビア/コソヴォ
第3部 見ることの塩
2004年に文化庁文化交流使としてイスラエルとセルビア・モンテネグロに派遣された時に、見聞きした事をエッセイにまとめたもの。
ごく最近の、イスラエル、旧ユーゴスラビアの情勢。
わたしは、旧ユーゴスラビアと書いてしまったが、セルビア・モンテネグロと言っても場所がピンとこないので、こう書いた。
その場所はそれぞれ本当に悲惨な状況だ。
民族主義というのか、かつてそれぞれの民族 宗教を 持つ人々が 平和に 寄り添って暮らしていたのに、何故こんな風になったのか、原因が 今となっては 過去が封印されてしまって わからない?
被害者が加害者で、加害者が被害者でもある状態、この悲惨な風景を見て、筆者は、高橋睦郎氏の詩の一節
「私の見ることは塩である。
私の見ることには、癒しがない。」
を思い浮かべる。
この本を読んで、日本が 本気に なれば、イスラエル/パレスチナや、セルビア/コソヴォに対して 宗教、経済を含めて、本当の力に なれるような気がした。
幻想でしかないかもしれないが。